先日ご紹介した通信社NNAのカンパサールという冊子をぺらぺらウェブ上で立ち読みしていたが、「わが子の幸せはどこに」(第7号、2012年4月発行分)を読んでいて目についた。
「子供に学ばせたい英語以外の外国語は?」(※複数回答可)というグラフによると、日本語(1位)、中国語(2位)、フランス語(3位)という結果が表示されていた。 中国、インドネシア、マレーシア、タイの平均という。
恥ずかしながらアジア市場についての知識は皆無だったため、シンガポールに来て驚いたことが日本のプレゼンスの高さ。特にシンガポールのように駐在員も多く、国土が小さいこともそういう印象を際立たせているのは確かだが、欧州にいると日本の存在は非常に限定的である上、自分のことを棚にあげて日本の経済状況に否定的な見方が強いため、マレーシア、タイ、ベトナムでもやはり日系企業による注力ぶりに「日本もまだまだがんばれる!」とポジティブに見えてきた。
(…というのは完全に感覚論であり、もう少し勉強しなければ実情は見いだせない。)
しかし、本当に今更日本語を勉強させたいという親がいるのか?日系誌だからバイアスがあるのではないか?いや、20年もすれば必要に迫られ日本の移民政策ももっと寛容になり、日本語が再び役に立つようになるという読みか?しかも、なんでフランス語が3位?!ミドルクラス以上は文化的知識・教養なども重視するため?
などと、疑い深くページを進める。
(どなたか詳しかったらぜひ実情を教えてしてください!)
その他、「アジア生活者調査:母親が(子供向け商品の)ブランドを乗り換えるとき」も面白かったので一部数字を抜粋してご紹介。
(以下、カンパサールからの抜粋。)
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■中国:
スイッチ頻度:25.2%
口コミで積極的にトライ(周りからの勧め 56.1%)
■タイ:
スイッチ頻度:12.6%
お祭り好きの心理目立つ(新商品 41.7%、キャンペーン 33.3%)
■ベトナム;
スイッチ頻度:12.5%
新機能に興味深々(魅力的な機能 48.1%)
■インドネシア:
スイッチ頻度:12.7%
本当はスイッチしたくない(いつも買っていたものが店頭になかったから 31.6%)
■マレーシア:
スイッチ頻度:18.3%
安くてよいものが欲しい(安かった 44.4%、魅力的な機能 40.0%)
■フィリピン:
スイッチ頻度:11.5%
価格以外は眼中にない(安かった 59.3%)
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子供向け商品市場では全体的にはブランドロイヤルティが高く、ファーストムーバーメリットが高そうだ。
ベトナム人は手先が器用と聞くが、機能重視がトップというのも他市場と異なる。
そういう違いが垣間見れて面白かった。
ちなみにこのトレンドはリテール全般に言えることなのだろうか?(これまたどなたかご存知だったら教えてください。)
ちなみにここでは数字を取り上げたが、親の世代との違いやエリート教育についても簡単に紹介されていて、そのような観点からもアジア市場に関心がある方は一読の価値あり。
アジア市場動向に関して欧州・米系誌は情報が非常に薄いことが多く、日系誌の方が断然充実している。これまであまり日本語で情報収集できる環境になかったが、日本語での情報収集も再開。シンガポールに来る前から「小さい国だしすぐ飽きるよ」と言われ続けてきたが、周辺諸国まで見始めると本当にキリがなく、日々新たな発見があり楽しめる。
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【参考記事】
NNA カンパサール第7号、2012年4月発行分
「わが子の幸せはどこに」
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