2012年11月16日金曜日

Write There Write Now(2012/11/16):『活路を見出す』と考える


【今回のテーマ:『活路を見出す』と考える】


最近、日本人以外の人に就職相談をされることが増えた。といっても理由は日本人が周りにいないというだけ。新しい仕事を見るける時の悩みってどこにいっても似通ったものだなあ、なんて思いながら聞いている。

そういえば、日本人の友達からも『そもそも、なんで新しい土地にフラッと来て、すぐ仕事が見つかるんですか?』とも聞かれた。

まず、『フラッと』、というところは訂正したい。失礼じゃないか、君。

…ということではなく、そもそもフラリと来ても仕事を探すのは難しい。少なくとも何らかの形で滞在許可を持っていない限り名目上は仕事探しが出来ないことになっている国が多く、人材派遣会社などは紹介してくれない。そうなると自力で応募していくことになるが、滞在目的が明確ではないと、『コイツはすぐ辞めて国に帰るのではないか』などと疑いの眼を向けられるからだ。

次に、『仕事が見つかる』という点だ。『仕事、見つかったよ~』と私自身もよく言っているが、実は仕事は『見つかる』ものではなく、能動的に『見つける』ものだと思う。

なので正しい質問は、『新しい土地に来て、どうやって仕事を見つけたんですか?』だと思う。

『その違いがそんなに重要なんですか?』と反論したくなるかもしれないが、私は結構重要だと思う。特に後半部分。

個人的には『仕事を見つける』という表現より、なるべく『活路を見出す』という表現で就職(転職)活動を捉えるようにしている。仕事を見つける、という表現をしている限り、ついつい流されやすい私は買い手の視点に合わせてしまうことが多い。でも『活路を見出す』と考えると、軸が自分となる。

活路を見出すというのは自分探しに近い。ただ、自分探しは『私とは誰か?』という自己分析に留まるが、『活路を見出す』という表現を使いはじめた時に『ではその私を持ってどの方向に進んでいくか?』と、下を向いて考えていた自分がふと顔を上げて先を見る姿が浮かび上がる。

そういうことを書くとあたかも私が就職(転職)のプロ、成功者であるように聞こえるかもしれないが、そういうわけではない。最初からそう捉えられたわけでもないし、失敗もする。周りを見ていると、正直、一番効率がいいのは日本で最初から外資系企業に就職し、日本国内の外資市場を転々とするのが最も給料は上がるような気がしてやっかんだりもしていた。

海外市場を飛び回ると、待遇面でも各国市場でのアジャストメントが多少なりとも入るので非効率なところがある上、国境を超えると、『How are you and who are you?』の連続で、いちいち最初から自分のストーリーを語らなければならない。最初はそれがものすごく面倒だと思った(なんせ面倒くさがりで)。でも、そのうちだんだん口が慣れてくるというか、『practice makes perfect』で、ストーリー展開がうまく出来るようになり、特にあれこれ突っ込まれずに『へぇ~』と納得してもらえるようになる。そうなってきたら、自分の過去の道路整備が出来た、と考える。

そうなると次はどこに目的地の旗を立てるか。まあ、現代的に考えるとすると、GPSにどのアドレス入力するか、となるのだろうが、実際はそこまで正確に次を特定出来ることは少ないので『旗メタファー』が一番合っている気がする。

ヒラヒラと△の旗が向こうに見える。そこまでのルートとしては、直線だがイバラの道、距離的には迂回するが平坦な道、丘を越える道、などと選択肢は複数。途中には危ない橋も。でも『備えよ、常に』(by ボーイスカウト)の精神で少し先を確認しながら進めば、多分どうにか様々な試練も乗り越えられる。

そして時々ちゃんと後方も確認しながら進むと、当時は『嫌な上司に適当に合わなければならぬ、嗚呼この辛さ』と見えた試練も、実は『部下を無駄な不調和音から守るための自己犠牲の訓練』だったと見えるかもしれない。あれだけキーキー腹を立てていた状況も自分の肥やしになるんだなあ、と、当時はうまくやれなかった上司にも感謝、感謝。

…なんて、大して偉そうなことを言う資格は特にない。キャリア的にもまだまだこれから、というところ。自分自身もいつもすべての状況にベストな形で対応出来る訳では決してない。ただ、各種イバラの道は通り抜けているとは自負している。

私が海外の大学院を卒業する時、周りの日本人全員が『絶対無理』『日本人が海外でトップ企業なんか勤められない』『まだ若いから日本に帰った方がいい』と言ってきた。ほとんど反骨精神で『じゃあ誰かがやらないと…』と私は残ることにし、あがいて(溺れかけて)いたところ、Fortune 10の米大手企業に拾ってもらった、という経緯がある。

それがベストな道だったかは多分一生分からないが、道は拓けた。善し悪しは別として、波瀾万丈、スリルやサスペンスには事欠かない道であったことも間違いない。だから何かをやろうとしている人には『無理』『辞めた方がいい』とは言わないようにしている。私ももっと経験を積んで、『この辺を通ると楽でっせ』ともう少し具体的に応援してあげられたらいいな、と思っている今日この頃。


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発行元:Analyze + Summarize
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